肩こり・首コリがなぜ治らないのか。原因から読み解く運動の必要性を解説
著者 磯野正吾 柔道整復師・JRFUトレーナー/整体×フィットネスWELLPORT代表
こんな肩や首のお悩みありませんか?
「とにかく肩こりをどうにかしたい」
「いつも肩が凝っていてつらい」
「首コリがひどく、頭痛もする」
原因:首や肩の筋肉の使い過ぎ
首や肩の痛みはデスクワークや運転が多い職業の方を中心に発症し、慢性化したものは頭痛や耳鳴り等の不調にまで影響します。
近年のスマートフォンやパソコンの普及、さらにはリモートワークなどの影響により姿勢が悪い状態での長時間作業しなければならないということも多いかと思います。
重たい頭を支え続けるために首の筋肉は常に緊張の高い状態が強いられてしまいますので首肩こりに悩まされている人も多いのではないでしょうか
1.頭が前に出ているため、頭を支えている首回りの筋肉が働きすぎ
頭は重たい
成人の頭の重さはだいたい体重の10%ほどといわれており、体重が60キロの人であれば6キログラムということになります。
ボウリングのボールが体に乗っているようなものです。
この頭の重さはうつむくだけで数倍ものにもなるといわれています。
デスクワークや姿勢が悪いと、どれだけ頭を支える筋肉に負担がかかっていることでしょうか。
首を支える肩甲骨周りの筋肉が大切
いわゆる猫背やスマホ首、ストレートネックと言われる状態は土台となるはずの肩甲骨周りの筋力が低下しています。
肩甲骨の位置が安定しないことで首や頭のポジションが悪く、長時間その状態にいることで首や肩のこりに繋がります。
ひどい方は頭痛やめまい、耳鳴り、吐き気などに苦しんでいるかと思います。
肩甲骨が安定することで首の位置が安定します
肩甲骨を支える筋肉
・僧帽筋下部
・前鋸筋
首が安定しないと頭を支える筋肉が働きすぎてしまう
・僧帽筋上部
・肩甲挙筋
など
頭を支える筋肉は肩甲骨の筋肉より小さく弱いです
それらの筋肉が働きっぱなし=縮みっぱなしとなると…
・筋肉の血流が悪くなる
・酸欠や痛み物質の蓄積
が起こります。
2.肩を使って呼吸している
呼吸は1日に20000回
呼吸法は大きく分けて2つ
・胸式呼吸
・腹式呼吸
それぞれの違い
胸式呼吸
・肩を上げる筋肉を使った呼吸
主に肩を引き上げる筋肉を中心に肺を膨らます呼吸です。
肺は十分に膨らまみません
・交感神経
闘争や逃走、緊張の際に交感神経が優位になります。
わかりやすく例えるとダッシュをした後、息がハアハアしているイメージです。
ストレスを感知しやすく攻撃的になりやすい
・浅くて速い
浅くて速い呼吸のため、呼吸回数が増えます。
吸うのに一生懸命な状態です。
腹式呼吸
・横隔膜を使った呼吸
横隔膜が引き下がり、肺を拡げる呼吸法です。
肺は十分に拡がります。
※横隔膜=筋肉の一種
・副交感神経(リラックス)
リラックスしている場面で副交感神経は働きます。
副交感神経を活性するやり方として腹式呼吸は有効。
・深くてゆっくり
イメージは深呼吸です。
肺が広がり、深くゆっくりとした呼吸のため、呼吸回数は少なくなります。
十分な呼気のあとにふんわり吸います。
肩こりは日常的に肩を引きげる筋肉を使っているから
先ほどお話しした胸式呼吸の状態が続くと、呼吸のたびに肩を引き上げる筋肉が使われるので使いすぎていることになります。
肩を引き上げる筋肉
・僧帽筋上部
・肩甲挙筋
つまり、腹式呼吸が大切
セルフチェック
①息を一度吐き切ります
②そのあとふんわりと軽く息を吸って息を止めます
③何秒息を止めれるか計測します
20秒未満…短いです。とにかく呼吸のエクササイズを毎日行いましょう。
20~40未満…やや短いです。呼吸のエクササイズを定期的に行うことで、からだの不調が和らぐかもしれません。
40秒以上…優れています。肩こりが治らないのはほかの原因かもしれません!
さて、何秒息を止めてられましたか?
どれだけからだが酸素を欲しているのかがわかります。
すぐに吸いたくなれば、酸素が欲しくて我慢できない状態ということになります。
現代人は息を過剰に吸いすぎています。
それだけ酸素を欲している体ということです。
実は、反対に酸素を取り込めば取り込むほど、体の隅々まで行き届く酸素の量は少なくなってしまうのです。
大切なのは吐くこと。
からだの二酸化炭素や代謝に使われた水分を捨てることで、はじめてあたらしい酸素を取り込むことができます。
ポイントは呼吸の回数を減らすこと
10ー10ー10ブレージング
①口から細く長く10秒かけて息を吐く
②10秒間息を止める
③鼻から10秒かけて息を吸う
④繰り返す
1分間に2回しか呼吸しません。
最初は難しいと思うので5秒ずつからでもはじめて見てください。
3.背骨が固い
なぜ背骨が固いと肩こり・首コリになるのか
→頚椎が過剰に動いてしまうから
とくに胸椎が固くなるとコリの原因に。
胸椎は回旋の可動が大切です。
胸椎が回旋しないと頚椎に負担がかかる 首の筋肉や靭帯・関節や椎間板にも負担が大きくなります。
胸椎は様々な理由で固くなりやすい
・姿勢
・呼吸
・ストレス
・運動不足
胸椎のストレッチ
①横向きで寝て上側の手を後頭部に当てる
②ミゾオチが天井に向くようにからだを捻る
③繰り返す
首の痛み、肩こりのタイプ
胸郭出口症候群(TOS)
首の痛みや手や腕の痺れ、握力の低下などの症状があります。 手や腕を支配する神経は頚椎から分岐します。この頚椎から分岐した際に胸郭出口と言われる神経の出入り口が狭窄することによる圧迫により痛みや痺れを惹起します。 この疾患も肩甲骨周りの筋肉(僧帽筋の下の方)の筋力が低下するために胸郭出口の狭窄が起こるためリハビリが必須となります。 また狭窄部位は3箇所(斜角筋隙、肋鎖間隙、小胸筋)あり、どこで狭窄しているのかは徒手検査を用いて鑑別します。 正しい箇所への治療アプローチも必要になってきます。
緊張型頭痛
女性を中心に中高年に多く、多くの人が経験したことがある頭痛になります。 首や肩が凝ることで血液の循環が頭から首にかけて悪くなることで発症します。 頭全体が重く締め付けられるような痛みを感じます。 筋肉の緊張を緩め、姿勢や呼吸状態の改善、体を動かし血流が増加するような運動等を行っていくことで痛みの改善と根本治癒を目指します。
まとめ
肩こりが治らないのは
・頭が前に出ているため、頭を支えている首回りの筋肉が働きすぎ
・肩を使って呼吸している(胸式呼吸)
・背骨が固い
ことによる首や肩の筋肉の使い過ぎです。
このことから改善は必ずしも肩こりのある場所をどうにかすることではないといえます。
・肩甲骨周りの筋肉を鍛えること
・呼吸機能を改善すること
・背骨のストレッチ
などが重要になります。
肩こりは揉んでも治らないと感じている方はおおよそその通りです。
しかし、揉まなくても改善するということを知っていただけると幸いです。
気落ち良さや短時間でも楽になりたい。であればマッサージは良い手段ですが、根本からの解決を目指すなら、筋トレや呼吸法、ストレッチをはじめとする“運動”が最も大切だといえます。
よくある質問
猫背矯正や骨盤矯正をすれば首こりや肩こりは治るのでしょうか?
どちらとも言えません。
巷では、骨盤矯正や猫背矯正で姿勢が劇的に変わったように見える広告もかなり多く一度は目にしたことがあるかと思います。
しかし、大切なのは肩甲骨周りの筋力です。
一時的楽にはなるものの筋力トレーニングがない矯正は効果が高いとは言い難いです。
また、食生活や自律神経系の状態も関与してくるため〜すれば治るということは一概には言えないと考えています。
当店の場合はヒアリングや検査を通じて体の状態と生活背景を加味しながらお客様のお悩み解決へとご提案させていただきます。
首や背骨をポキポキと鳴らすような整体をされますか?
首や肩の痛みはデスクワークや運転が多い職業の方を中心に発症し、慢性化したものは頭痛や耳鳴り等の不調にまで影響します。
頭の重さは体重の約10%程あり体重60キロの人の場合、大体6キロとなります。
近年のスマートフォンやパソコンの普及、さらにはリモートワークなどの影響により姿勢が悪い状態での長時間作業しなければならないということも多いかと思います。
重たい頭を支え続けるために首の筋肉は常に緊張の高い状態が強いられてしまいますので首肩こりに悩まされている人も多いのではないでしょうか。
首を支えるのは肩甲骨周りの筋肉です。
いわゆる猫背やスマホ首、ストレートネックと言われる状態は土台となるはずの肩甲骨周りの筋力が低下しています。
肩甲骨の位置が安定しないことで首や頭のポジションが悪く、長時間その状態にいることで首や肩のこりに繋がります。
ひどい方は頭痛やめまい、耳鳴り、吐き気などに苦しんでいるかと思います。
TVでみた体操を毎日続けているが良くならないです。
首こりや肩凝りは日々の姿勢や筋力が大きく関与します。
しかし、不良姿勢にも大きく分けて4つのパターンが存在します。このパターンの人にはこの体操。というようにそれぞれのタイプで効果的な体操も変わってきます。
一度専門家に診てもらうことであなたにピッタリの体操や解決方法が見つかると思います。
お近くであれば是非当店をご利用ください。