膝の痛みの代表的疾患と原因
著者 磯野正吾 柔道整復師・JRFUトレーナー/整体×フィットネスWELLPORT代表
こんな方にオススメの記事
「膝の怪我で部活に参加できていない」
「膝が悪くて何年も整体に通っている」
「膝が痛みだしたが、趣味のマラソンを続けたい」
成長期に起こるオスグッド・シュラッター病や加齢に伴う変形性膝関節症など、膝の痛みは多岐に渡り広い年齢層の方に支障をきたしています。
特に前十字靭帯や変形性膝関節症は男性に比べ、女性に多くみられます。
膝は歩行や階段などさまざまな生活シーンやスポーツで負荷がかかりやすい部位です。
そのためスポーツ復帰は時間がかかり、日常的に負荷がかかるため治りもスムーズではありません。
膝のトラブルは要支援や介護の要因にもなります
症状が進行すると外出が億劫になったり、そのまま進行すると筋力が弱り、歩くこともむずかしくなってしまいます。
膝痛が与える影響は計り知れないです。
代表的な膝の傷害
・オスグッド・シュラッター病
・変形性膝関節症
・ジャンパー膝(膝蓋靭帯炎)
・ランナー膝(腸脛靭帯炎)
・靭帯損傷(前十字・内側側副・後十字)
・半月板損傷(内側・外側)
膝痛の主な原因
①O脚やガニ股で内側にストレスが集中しやすいラテラルスラスト(側方動揺)
着地や荷重時に体幹の機能低下や体の使い方により内側に圧縮ストレス・外側に牽引ストレスがかかります。
主に半月板損傷や変形性膝関節症の原因となります。
②膝が足首よりも内側に倒れるニーイン
着地や荷重時に体幹の機能低下や足首の不安定性により内側に牽引ストレス・外側の圧縮ストレスがかかります。
主に前十字靭帯やランナー膝、ジャンパー膝など多くの膝障害の原因となります。
③膝にかかる捻れ(回旋)のストレス
捻れのストレスにより半月板や前十字靭帯などの関節内部のダメージが蓄積されます。
体幹機能低下や股関節・足関節の異常が惹起し、これらのストレスによる傷害の発生・悪化が見られます。
引っ張られる部分
・靭帯や腱
圧迫される部分
・膝蓋下脂肪体
膝蓋下脂肪体は脛骨・大腿骨・膝蓋骨が成す関節の空間に存在しますが、骨や筋肉などの組織間に挟まることで痛みを引き起こします。
膝蓋下脂肪体とは関節の動きをスムーズにするための組織で、痛みを完治するセンサー(侵害受容器)が豊富で繰り返す力学的ストレスや慢性炎症により硬くなり挟まりやすくなります。
④膝が動きすぎ
膝の関節は前後と数ミリの回旋しかできない関節です。
動く範囲が小さいため衝撃を逃がしにくく、大きな衝撃や捻れによって関節の中の靭帯や半月板といった組織が痛みやすいです。
また、膝を安定させ衝撃や捻れから関節を守るために膝周りの筋肉に大きな負担がかかります。
運動やスポーツで常に負担がかかり続けている膝周りの筋肉は硬くなり、筋肉の付着部では炎症が起こりやすい部位でもあります。
膝が不安定で動きすぎるため、怪我や痛みは発症します。
股関節や足首の可動域がせまい
・膝が動きすぎているのは、本来膝より動くはずの股関節や足首の関節が動いていない代償
股関節や足首が不安定
・土台である足や上下関係をなしている股関節が不安定だと間にある関節(膝)も不安定になります。
解決方法
股関節ストレッチ
・インターナルニープレス
①床に座って90度に膝を曲げる
②膝の内側を床につけるように倒す
③反対の足の外くるぶしを膝にのせて、重みを使って押す
④20~30秒行ったら反対側も行う
股関節トレーニング
・スクワット
①カカトが床から離れないようにお尻を引きながらしゃがむ
②床を足のうら全体で真下に押すように直立に戻る
足のエクササイズ&ストレッチ
インソール
即効性があり足の矯正まで行えるためオススメです。
まとめ
膝の痛みは幅広い年齢層の悩みの種となっており、変形性膝関節症や前十字靭帯損傷は比較的、女性に多くみられる。
膝の痛みの原因
側方動揺
膝の内側への倒れこみ
膝の捻れ
膝の動きすぎ
解決法
・股関節のストレッチ&トレーニング
・足のエクササイズ&トレーニング
・インソール
膝痛の改善には、運動が必須となります。 整体で身体を整えても、基礎となる筋力や自分で動かせる可動域がないと痛みの原因となる要素は改善が見込めません。
膝痛は治りが悪いものが多く、将来的に変形性膝関節症になるリスクが高くなります。
今のうちに出来ることを行うことは大切です。
よくある質問
痛みが強くトレーニング出来るか不安です。
ご安心ください。当店では膝痛に対する施術により痛みを緩和・除去するところからスタートします。
体幹のエクササイズなどは膝の運動が少なく初期はマットに寝た状態で行うので、状態を常に把握しながら無理のない運動を提案させていただきます。
以前怪我してから時々痛むのですが、大丈夫でしょうか?
はい、もちろんです。
痛みの原因を探り、再発予防に向けたエクササイズを行っていきます。
アスリートであれば復帰に向け徐々に負荷を上げていき、メンテナンスもしながら最短での復帰を目指します。
変形性膝関節症で変形もあり水が溜まっていますが出来ることはありますか?
はい、あります。
施術やエクササイズのより歩行機能や身体機能の向上による痛みの緩和が見込めます。しかし、変形が進行してる場合は改善しない場合もあります。
まだ水が溜まるのは現在も症状が進行している状況にあるサインです。
進行を止める、遅らせる方法はありますので一度ご相談いただくのが良いかと思います。
また、変形と痛みは必ずしも一致しないのでリハビリを行うと良くなるケースもあります。